光のもとでⅠ
 おば様はかろうじて自力で歩ける状態。
 病院に着くと、すぐに処置室に収容され、年配の医師がやってきた。
「紫先生、お久しぶりです」
 蒼樹さんが頭を下げる。
「今日は翠葉ちゃんじゃなくてお母さんのほうだったか」
 その医師は柔和な笑顔を浮かべた。
「母子揃ってお世話になってすみません」
 おば様が頭を下げると、
「いや、さぞかし心配しているだろうことは想像していました」
 言いながら白衣を着た医師は脈を取ったり診察を始める。
 そして、近くにあったパソコンへカタカタと何かを入力すると、近くにいる看護師に点滴の指示を出した。
「点滴にビタミン剤と吐き気止めも入れておきます。終わるまでゆっくり休まれてください」
「ありがとうございます……」
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