光のもとでⅠ
「御園生さん、その顔間抜けすぎるから。そっちの四人も……」
 リビングでお茶にも手をつけられないといった感じの大人五人は、そろいに揃って唖然としていた。
「司、翠葉は……」
「入院は了承させました。その代わり、寝ている間に痛い処置は全部済ませてやって」
 姉さんに顔を向けると、姉さんは目を見開いていた。
「ペインクリニックとIVHを怖がってた。緩和ケアも襲ってくる痛みもどっちも怖いって。それから、入院して外に出られなくなるのが嫌らしい。あとはまだ人には側にいてほしくないみたい」
「それ、全部翠葉があんたに言ったの?」
 姉さんの問いに頷く。
「こっちの部屋にいる人間はみんな優しくて言えないって言ってたけど?」
 呆れてものも言えない。
 だから御園生さんは甘やかしすぎだって言うんだ……。
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