光のもとでⅠ

03

 神崎先生がナースコールでオーダーしたことから、重湯が運ばれてきた。
 びっくりしたのはとても小さな器だったこと。
 小鉢といっても過言ではないくらいの大きさ。
 いや、たぶんこれは小鉢だろう。
「そのくらいだったら食べられる気がするだろ? 最初から大きな器でプレッシャー感じることはねぇよ」
 言いながら、先生は小鉢を私の前に差し出した。
 スプーンは湊先生が用意してくれたプラスチックのもの。
 器の蓋を開けるのが少し怖かったけれど、私が開ける前に先生に躊躇なく開けられてしまう。
「どうだ?」
 この問いは、匂いのことを訊かれているのだろう。
 恐る恐る匂いを嗅いでみる。と、吐き気は感じなかった。
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