光のもとでⅠ

06

 午前の治療も終え、昼食も食べ終えて薬を飲んだ。
 頭ではお父さんと会うことばかりを考えている。
 何を話したらいいのかな。
 お母さんが倒れたのはきっと私を心配して仕事を詰め込みすぎたからなんだろうな。
 そんなことを考えていればどうしても申し訳なさで胸がいっぱいになる。
 ふとチビバッグが目に入り、携帯を取り出した。
 録音データを呼び出し司先輩の声を聞く。
 いつもなら繰り返し聞いているうちに、心拍が先輩の声に連動しだすのに、今日はその様子が見られない。
「どうしようかな……」
 言葉が口からもれたとき、
「ここ、携帯禁止だけど」
 聞き慣れた声がかけられた。
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