光のもとでⅠ

12

 翌朝、九時になるといつものように昇さんが病室にやってきた。
「おはようございます」
 たぶん、初めて自分から挨拶をした。
「おはよう」
 ……あれ? いつもと雰囲気が違う。
 昇さんの表情が雲って見えた。
「昇さん……?」
 昨日のことを怒っているのかな……。
 そんな不安が心をよぎる。
「……あのな、治療を一度打ち切ることになった。相馬の帰国が六日後になったんだ」
 治療を打ち切る……?
 どうして?
 相馬先生が帰国するのと何か関係があるの?
「相馬が、素のままの君の状態を診たいそうだ」
 それは、痛みがある私を診たいということ……?
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