光のもとでⅠ
 静かにふたりの声が重なる。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……」
『一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……』
 数え終わると、"私"が一方的に話し、通話を切った。
 データはそこまで……。
「……何、これ」
 どうやって思い出そうとしても思い出せなくて、混乱する自分を制御できないでいると、
「翠葉っ、起きていて大丈夫なのかっ!?」
 蒼兄が病室に入ってきた。
「うん……」
「リィ、顔色悪いよ。とりあえず横になったら?」
「お母さんは?」
「今、先生から話を聞いてる」
 言いながら、蒼兄がお布団を肩までかけてくれた。
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