光のもとでⅠ
「だろ? 俺も同じなんだ。相手が記憶をなくしたからといって、俺の記憶はなくなってない。思い出すのを待つもいいし、訊かれたら答えるのもかまわない。それに、別に記憶なんてなくても友達ではいられる」
 すごく普通に話すけど、でも、なんだか――。
「ツカサって情が深い人なのね?」
 ツカサは驚いた顔で私を見た。
「……私、何か変なこと言った?」
「いや……。情が深いかはわからないけど」
 会話が急になくなってしまい、「戻るか」と言われたから、「うん」と答えた。
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