光のもとでⅠ
「髪の毛、気になるくらいなら少し揃えちゃいましょう、って」
 左サイドの髪の毛――。
 まだ、どうして左だけが短いのかは知らない。
 それを見たからといって、もうパニックになることはないけれど、気になることは確かで……。
 揃えてもらえるならそれに越したことはなかった。
 今日は八月二日月曜日――。
 八時半にきてくれるということは、お店に出る前に来てくれるということ。
 ちゃんとお礼を言わなくちゃ。お母さんにも……。
 朝食を食べて少しするとお母さんが来た。
「おはよ」と、血色のいい顔を見てほっとする。
「蓮(れん)くんがあと少しで到着するって連絡くれたわ」
 そう言うと、「着替えよっか」と普通の洋服を出してくれた。
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