光のもとでⅠ
 病室の照明を落としても、私は眠れずにいた。
 明日から始まる新しい治療のことも気にはなる。
 けれども、心の大半を占めているのはツカサのことで――。
 佐野くんには申し訳ないくらい、ツカサのことを考えていた。
 ツカサのことを考えると、ものすごくそわそわしてしまう。
 ツカサがどんな人で、ものごとをどんなふうに考えるのか、感じるのか。
 何が好きで何が嫌いなのか。
 完璧主義者で隙がないように見えるけれど、実は苦手なものがあったりするのかな、とか。
 とにかく知りたいという欲求を強く感じる。
「彼女とか、好きな人とか……いるのかな」
 ――いやいやいやいや違う違う違う違う……。
 別に何がどうというわけじゃない。
 ただ、気になるだけなのだ。
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