光のもとでⅠ

35

 頭の中に散らばるクエスチョンマークを放置して、座ったまま手早く着替えて車椅子に座った。
 けれど、身体を起こすのはまだつらかった。
 車椅子に乗って前かがみになり、
「藤原さん、横になりたい……」
「じゃ、病室へ戻りましょう」
 私たちはドライヤーを持って病室へ戻った。
 身体を起こしていると血の気が下がる、というのは典型的な起立性低血圧の症状。
 ショック症状ではないので、治療はない。
 ただ、横になって数値が安定するのを待つだけ。
 転がりこむようにベッドへ横になると、藤原さんは点滴を再開すべく作業に移る。
 自分で言うのもどうかと思うけど、ライフラインがつながりました、そんな感じ。
 そのあとは、横になった状態で髪の毛を乾かしてくれた。
 頭に感じる温風は、熱いというよりもどこか首をあたためられている感じがしてほどよく気持ちがいい。
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