光のもとでⅠ
 だから――。
「許さない……」
 俺の言葉に目の前の司が目を見開いた。
 悪いな、司……。
 彼女に言った言葉に対してじゃない。
 おまえには悪いと思っていないことに、悪い、と思う。
 司の目を見ながら言い放つ。
「俺を傷つけたと思うなら、その傷は翠葉ちゃんが癒して? ……今から病院へ行くから」
 通話を切ると、
「秋兄っ!?」
「そういうことで、俺今から病院へ行くから」
 玄関からでていくように視線を投げる。
「翠がどんな思いで電話してきたと思ってるっ!?」
 そんなこと知ってる。嫌というほどに。
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