光のもとでⅠ
 守りすぎて今の翠葉を作り上げてしまったのは俺たち家族だ。
 でも、高校に入ったら環境が変わった。
 翠葉からしてみたら、裸足で外を歩け、と言われたも同然だっただろう。
 さらに、茨の道へ、と歩みを進めてしまった節がある。
 それは翠葉の選択だったけれど――。
 少しは打たれ強くなってほしい、けれども、必要以上に傷ついてはほしくない。
 相対する感情――。
「これが過保護って言われるゆえんなのかな……」
 自嘲する顔がエレベーターの扉に薄っすらと映る。
 翠葉はというと、電話がつながったらしく、頭をあちこちに傾けては前のめりになったりして話をしている。
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