光のもとでⅠ
 目の前に目を輝かせている男がひとりいるからだ。
『今っ、電話してても大丈夫っ!?』
 無理――。
「ちょっと待って。三分後にかけ直す」
 すぐに通話を切ると、
「なんだ、彼女かっ!?」
 さして仲も良くない、今初めて話した男に訊かれる。
「違います。単なる後輩――あ、友達だったかもしれません」
「でも女なんだろっ!?」
「男か女かと問われるなら女」
「なんだそれ。実はオネエとかそういう話?」
「いえ、生物上の分類として」
 そんな話をしていると、相手の携帯も鳴り始めた。
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