光のもとでⅠ

06

 改めて電話をすると、一コールが終わる前に応答してくれた。
「はい」と低く落ち着いた声が携帯から聞こえてきてほっとする。
 この声が好き……。
「今日も勝ったって楓先生から聞いたの」
 最初はそんな話をした。
 インターハイに集ってくる選手はみんな強豪。
 でも、勝ち上がると共にもっと強い相手と当たるわけで……。
「ツカサは緊張したり神経を集中させるときにはどうするの?」
『……腹式呼吸をしながら頭を空っぽにして数を数える』
 それって――。
「一から十までの数……?」
『そう……』
 一から十までの和にはそんな意味があったんだ。
< 2,505 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop