光のもとでⅠ
「風邪には気をつけろ。しばらく内科周辺には近寄るな」
 言われながら、次々と鍼を刺される。
「これから打つ鍼は胃腸に効く。人によっては腸がゴロゴロ鳴り出すが気にすんな」
 いくつか針が打たれた直後、見事に胃腸がゴロゴロと大合唱を始めた。
「ほぉ、嬢ちゃん、鍼との相性はいいみたいだな」
 手応えを感じたのか、相馬先生にそんなふうに言われた。
 背中は背骨に沿ってたくさんの鍼を打たれ、自律神経に効くツボだ、と言われる。
 首にも頭にもたくさん打たれた。
「ここの筋肉、早くほぐそうな。明日にはカイロ用の寝台が届くからその施術も可能だ」
 私はまな板の上の鯉状態で、なされるがまま。
 治療は一時間ほどで終わり、
「今日もかなり疲れやすいはずだ。頼むから携帯ゾーンで寝るのはやめとけよ」
 先生はそう言うと病室を出ていった。
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