光のもとでⅠ
 栞さんが首を傾げているところを見ると、そこで何があるのかは栞さんも知らないのだろう。
「一時の屋上ってすごく暑そうですよね……」
 会うのが嫌なわけではなく、その場の気温が少し気になるだけ。
「あ、それは大丈夫よ。エレベーターホールの裏にはちょっとしたスペースがあるの。そこは冷房も利くし、オーニングもあるから日陰になっているわ」
 初耳……。
 ツカサとはハーブ園のある方へしか行ったことがなかったから、そんなお部屋があることは知らなかった。

 ご飯を食べ終え薬を飲むと、日焼け止めを塗ってルームウェアに着替えた。
 屋上へ向かうと、言われたとおりにエレベーターホールの裏側へと回る。と、そこにはカフェのようなスペースがあった。
「先生ともうひとり……」
 女の人が一緒にいる。
 目が合って会釈すると、おいでおいで、と涼先生に手招きをされた。
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