光のもとでⅠ
 あのときは何を言われているのか咄嗟に理解はできなかったし、言われたことを受け入れることもできなかった。
 でも、今ならわかる。
 静さんは私に家と病院以外の選択肢を提示してくれたのだと。
 その話の途中、お母さんが会話に加わった。
 いつもとは違うお母さんの声と表情に息を呑んだ。
 あのとき、お母さんは同級生や親友、そういうすべてを差っぴいて、ビジネスの話をしましょう、そんな感じに見えた。
 でも、ビジネスの会話、とは表面だけで、お母さんの怒りの感情が見え隠れしていたように思える。
 あのあと、お母さんと静さんは何を話したのかな……。
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