光のもとでⅠ
「本当はそんな薬も使いたかないんだがな……。不本意だが帰国前に他科依頼の打診をしておいて正解だった。素の状態を診たいとは思っていたが……。悪かったな、つらい思いさせて」
 言いながら先生は口もとを歪める。
「今も痛ぇんだろ?」
 大きな背中を丸めているからか、私よりも身長の高い人に私よりも低い位置から見上げられてる。
 普段姿勢がいい人なだけに奇妙な光景だ。
「少しだけだから、だから大丈夫」
「その痛み……身体から一掃するからな」
 相馬先生は痛みが引き起こす悪循環を教えてくれた。
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