光のもとでⅠ
 何よりも、この十年で自分が静に惹かれてしまったことも十分承知している。
 それでも、こういう愛情表現には慣れない……。
「しだいに慣れるさ」
 静はクスリと笑う。
 年の差然り、器の大きさ然り、何をとっても自分が敵わない相手。
 時間をかけにかけて、自分は一番厄介な男に惚れてしまったんじゃないだろうか……。
 そんなことを考えていると、二度目のキスが降ってきた。
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