光のもとでⅠ
「今日はお休みなんですか?」
「いや、徹夜明けなんだ」
 こういうときは「お疲れ様」だろうか。
 少し考えてから、「お疲れ様です」と口にする。
「翠葉ちゃんは今日はどうしてマンション? この時間栞は実家だろう?」
「あ……えと――」
 言葉に詰まっていると、
「体調不良。秋兄のところだと精神衛生上に問題があるから姉さんの家に非難」
 ものすごく簡潔に述べた先輩を感心してしまう。
「くっ、なるほどね。あぁ、そうだ。今日はあとで碧と零樹も来ることになってるから、久しぶりに両親に会えるんじゃないかな」
 そんな話をしているうちにマンションに着いた。
「零樹たちが来たら連絡を入れるよ」
 そう言われてエレベーターの前で別れる。
「静さんのおうちは一階?」
「いや、同じ階だけど、あっちの端にもエレベーターがあって、それは静さん専用って言っても過言じゃない。九階と十階にしか停まらないんだ」
 そうなのね……。
「なんかいうまい具合に人が集まってるから今日中に全部決まるんじゃないか?」
「どうでしょう……?」
 私は先輩に右側を支えられたままエレベーターに乗り込んだ。
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