光のもとでⅠ

08

 目が覚めた――というよりは、頭が起きた。
 まだ目は開けない。まず、自分がどういう経緯でどこに寝ているのかをきちんと把握してから目を開ける。
 これは意識してやっていることだった。
 これをせずに目を開けると、パニックを起こしてしまうことがあるから。私の中での必須項目……。
 学校で具合悪くなって保健室。帰りは司先輩が一緒で、途中で静さんに会って車で送ってもらった。今は湊先生の家で司先輩の間借り部屋。
 そこまで思い出してから目を開く。
 天井は栞さんの家と一緒。ただ、ここは私が使っている客間と同じ場所ではない。私が使っているのは玄関を入ってすぐのところにある部屋で、この部屋はリビングの手前にある部屋だ。
「何時だろう……」
 携帯を取り出そうとして制服じゃないことに気づく。
「……七時」
 窓際から声がし、びっくりしてそちらを見ると、司先輩が私服で本を読んでいた。
「あ、れ……? 部活は?」
「だから七時」
 ……それはつまり、部活を終えて帰ってきたということなのだろうか。
「……おかえりなさい」
「はい、ただいま」
 と、床に本を置く。
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