光のもとでⅠ
「そうそう、大事大事で守りすぎるのも良くねぇぜ?」
「相馬先生はあの子を知らないからっっっ」
 相馬は険呑な視線を栞に向ける。
「栞姫よぉ、知る知らないじゃねぇだろーが。起きた事象に対処していく能力を培うには、そういう出来事に出くわさないといけねーんだよ。まだ経験値の少ない若者からその機会奪ってどうするよ」
 そこまで言われても栞は黙らなかった。
「翠葉ちゃん、ものすごく感受性が豊かで繊細でっ――」
「だからなんだ?」
「だからっっっ――」
 はぁ……栞は翠葉ちゃんがかわいくてかわいくて仕方ないんだろうなぁ……。
 その気持ちもわからんではない。
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