光のもとでⅠ
「予算は余すことなく使う。これらの金額は新年度に持ち越されることはない。プラマイゼロですべてを終わらせる。それが生徒会の最重要課題。歴代でそれをパーフェクトにこなした生徒会は七組しかいない。秋兄と静さんがいた生徒会だ。秋兄が在校生だったときは体育祭、文化祭、体育祭の年。静さんが在校生だったときは文化祭、体育祭、文化祭の年。体育祭が二回の年よりも文化祭が二回ある生徒会に携わるほうが難易度が高い」
 言われていることの内容は把握できたけれど、
「ツカサ、今の話だと秋斗さんと静さんが属していた生徒会の六組しかないよ?」
「去年の生徒会。それが七組目」
 なるほど……。
「今年もプラマイゼロを目指してるから」
 ツカサは笑みを深めたけれど、目の奥は笑っていない。
「……ガンバリマス、足手まといにならないよう努力します」
「それじゃ足りない。戦力になれるよう努力して」
 真顔で言われ、私は頬を引きつらせながら愛想笑いを返した。
< 3,209 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop