光のもとでⅠ
「明日は学校へ行くんだろ?」
「うん」
「じゃ、翠葉はもう寝な」
 そう言って蒼兄は部屋を出ていった。
 何も悪いことをしているわけじゃないのに、胸がチクチクと痛む。
 ゆうこさんは蒼兄に偶然会いたいと言っていた。
 何かが起るなんて思わないのに、ドキドキチクチク……。
 ゆうこさんは結婚されているし妊婦さんだし……。
「……どうしてこんな言い訳みたいなこと考えてるんだろう」
 変なの――。


 * * *


 お母さんはその週の日曜日に現場へ戻った。
 少し不安な表情で、「仕事、してくるね」と口にして。
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