光のもとでⅠ
 マンションに戻ってきたのは三時過ぎ。
 唯兄は帰って来るとすぐに秋斗さんの家へ行ってしまった。
 やっぱり忙しかったんじゃないのかな、と少し不安になる。
 学校のみんなは今頃授業を受けていて、それが終われば紅葉祭の準備に追われるのだろう。
 そんなことを考えつつ、ベッドで横になっていた。
 車での移動が多かったとはいえ、やっぱりあちこち移動するのは身体の負担になるらしい。
 藤倉の駅は地下鉄も乗り入れていることもあり、平日でも人があふれていた。
 その人ごみに疲れたのかもしれない。
 だるいな、と思う程度には疲れていた。
「少し休もう……」
 ホテルでも散々休んできたけれど、やっぱり慣れ親しんだ場所のほうが落ち着く。
 ゲストルームは自分の家ではないけれど、落ち着く、と思う程度には慣れ親しんだ場所になっていた。
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