光のもとでⅠ
 秋斗さんは私が寝る前にはなかったバッグの中から透明な瓶を取り出す。
「これ、香水現物。ジャケットと一緒に持っていく?」
 それを受け取り、蓋を外してクンクン嗅ぐも、同じ香りだけど何かが違う。
 ジャケットの香りのほうが少し柔らかい。
 あ……香水のボトルはトップノートが前面に出ているから?
 秋斗さんから香ったのはミドルノートやラストノートの香り?
 自分なりに分析をしていると、ジャケットを羽織らされ、その上にポンチョもかぶせられた。
「上からポンチョ着ていたら、香りが移るかもよ? それと、このボトルはあげる」
 と、ジャケットのポケットに香水のボトルを入れられた。
「えっ!? でも、これ、まだ全然使っていなくて新しいのに――」
「それでも封は開いているし数回は使ってるもの。プレゼントには相応しくないけど、好きならあげるよ」
 この香りは好き……。
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