光のもとでⅠ

42

 吐いてしまった直後、ポーチが開く音がした。
「ただいま~……わ、大丈夫? はい、お水……」
 タンブラーを渡され、お水で口の中を漱いでいる間、栞さんが部屋の窓を開けてくれた。
「少し換気したらすぐに閉めるから、お布団しっかりかぶっていてね?」
 と、洗面器とタンブラーを持って出ていく。
 数分するとチン、と電子レンジの音が聞こえてくる。
 次に栞さんが入ってきたときには片手にトレイ、片手には湯たんぽを持っていた。
 それらを置くと、部屋の窓を閉める。
「胃が空っぽなのは良くないから、数口でもいいから飲みましょう?」
 差し出されたのは生姜葛湯。
 生姜よりハチミツの香りが鼻腔をくすぐる。
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