光のもとでⅠ
 こんなこと、人に話したことはなかった。
 話したくなかった。
 誰かに聞いてほしくて、でも、誰にも知られたくなくて、どうしたらいいのかがわからなかった。
「蒼兄、怖いよ……」
 ずっと下を向いていたら蒼兄が抱きしめてくれた。
 私は縋りつくようにその胸で泣く。
「中学のとき、そんなこと一度も言わなかったな……」
「だって……ただでさえ身体のことで心配かけているのに、学校のことまで心配かけたくなかったよ。それに……体調のせいだったとしたら、お母さんとお父さんがつらい思いする」
 こんな不安を打ち明けたら、大好きなお父さんとお母さんがどんな顔をするのか――。
 ふたりを傷つけてしまう気がして怖かった。
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