光のもとでⅠ
 どうしてこんなににこやかなんだろう……。
「ちょっとごめんね。着替えさせてもらっていい? 汗だくなんだ」
 苦笑してはバッグの中から替えのシャツを取り出し、上半身のみ着替えを済ませた。
「で、四十分近く待たせちゃったけど、午後の仕事一個終わらせてきたから、これから二時間弱くらいはフリーなんだ」
「っ……お忙しい中、そんなにお時間をいただくわけには――」
「話って翠葉のことでしょ?」
「はい……」
「だとしたら二時間でも足りないくらいかな、と思ったんだけど?」
 表面上は笑っているが、実のところはかなり憤慨しているのだろうか。
 そうであってもおかしくはない。
 ここが職場だから体裁を保っているだけで――。
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