光のもとでⅠ
 でも、大部分を占めているのは藤宮司、あの男なのだろう。
 どうにも面白くない話だ。
 面白くはないけれど、翠葉が変われたことはいいことだと思う。
 一歩引いていた子が、今は自分からクラスの輪に足を踏み入れている。
 そんなことを考えていると、会話の流れは香乃の髪型へと移っていた。
 あれはきっとパーマをかけたんだけど、しっかりとはかからなかったって感じね。
「やっぱりおかしい?」
 苦笑する香乃に翠葉が慌てる。
「えっ!? あのね、ふわっとしててかわいいなと思って……」
「そう言ってもらえると嬉しいけど、パーマ……なんか失敗だったんだよね」
 香乃は照れ笑いをしながら、頭を押さえるように髪に触れた。
「私は似合ってると思うけど?」
 思考を中断させて会話に加わる。
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