光のもとでⅠ
「翠、あの人のこと名前で呼んでやって」
 それで気が晴れるなら、今すぐにでも呼ばせます。
「え?」
「いいから早く」
「久先輩……?」
 俺に言うんじゃなくてあっち。
「もっと大きな声で」
 少し焦ったふうで「久先輩っ」と口にすると、その言葉を待っていた会長が、
「翠葉ちゃん何っ?」
 と寄ってくる。
 これ以上にないくらい目を輝かさせて。
「翠、続けて……レジャーシトーとはやめましょう、って言って」
 これで完璧なはず。
「……レジャーシートはやめましょう……?」
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