光のもとでⅠ
「……嘘。本気にした?」
 にこりと笑う、目の前の男を殴りたい。
「寝言は嘘だけど、司のことを気にしているのは本当。相馬さんが気にしてた。最近ケンカばかりなんだって? 翠葉ちゃん、治療のたびに普通に話せないって相談してたみたいだよ」
「…………」
「行って確かめてきたら?」
 それだけ言うと、秋兄は緩やかに車を発進させた。
 なんか遊ばれた気分……。
 そう思いつつ、自転車置き場に着くころには心が決まっていた。
「行こう――」
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