光のもとでⅠ
「司、それだけ翠葉ちゃんに信頼されてるんだよ」
 そう言ったのは会長。
「あの子、強いのね? 私、呼び出されたら泣いちゃう子だと思ってたんだけど、全然そんなことなくって」
 俺だってそう思ってた。 
 でも、実際はこんな状況なわけで……。
 挙句、自分が女だと思われていないから俺が話せるという誤解付き……。
 大きなため息をつきたいところだが、もう溜まったものなどありもしない。
 出せるため息は全部出し尽くした気分だ。
「俺、今空回りしてるみたいです」
 気づけばそう口にしていた。
 それに対し、ふたりは「えっ?」って顔をする。
「自分、空回りなんてする人間じゃないと思っていたんですけど……」
 これは弱音だろうか……。
 本当にらしくもない……。
「今の、忘れてください」
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