光のもとでⅠ
 あんなにも衰弱していたのに、一ヶ月でここまで回復させて学校に通っている。
 本人も驚いているけど周りだって予想外だった。
 正直、二学期には間に合わないと思っていた。
 でも、翠は約束どおり二学期には復帰した。
 多少、無理をしている感は否めないけれど。
「先生たちも一生懸命治療してくれたけど、それ以外で――いつでもツカサが側にいてくれたから。だからがんばれたんだと思う。ちゃんとお礼言ってなかったよね。ありがとう……」
「ありがとう」という言葉と共にこちらを向く。
「時々ものすごく意地悪で辛辣なことだって言われるけれど、それが優しさの裏返しなの、ちゃんとわかってるよ? ケンカもするけど、ツカサが大好き。ファンの人たちとは違うよ? ちゃんとツカサが意地悪なのも優しいのも知っていて好きなんだからね? でも、もっとちゃんと知りたいから、だからいっぱいお話しよう? それから、ファンの人たちにも誤解されずに好きになってもらえるといいね?」
 翠は言いたいことだけ言ってキッチンを出ていった。
 ――わかってる。
 こういう人間だってことは何度となく思い知らされている。
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