光のもとでⅠ
「俺のバイトが公になりそうだったのを伏せるために茜が呼び出しに応じた。それがことの発端。だけど、茜はそのことを風紀委員にも誰にも話してはいない。呼び出されて行ったら襲われた、としか話していない。もし、少しでも風紀委員が遅れを取れば、間違いなく茜は襲われていたと思う。でも、茜は俺にも言わず、ギリギリまで風紀委員も動かさなかった。風紀委員も察知できないほど秘密裏にことが運ばれていた」
 会長は少し俯く。
 なんだか色々と納得がいかない。
 そもそも、この人は学校と道場の師範代掛け持ちでバイトなんかする時間はないはずだ。
 それも、道場以外のバイトなんて、そんな話は聞いたこともない。
 しかも、公にされたら困るバイトって何――。
 茜先輩の行動の意味だってわからない。
 いつもならもっと段取り良く動くはず。
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