光のもとでⅠ
 手にはかばんとハンカチが握られていた。
「絶対になんかあったでしょっ!? あまりいじめると、本当に嫌われるよっ!?」
 翠が見えなくなってから視線をノートに移した。
「確かにな……嫌われるというよりは追い詰めるようなことをした自覚はある」
「何それっ!?」
 目の前に毛を逆立てた猫がいると思った。
 そんな嵐を宥める優太に言われる。
「司、困らせたくなかったんじゃないの?」
「それとは別問題」
「でもさ、いい加減にしないと、っていうか、匙加減は大切」
 神妙な顔で言われた。
 ならさ、教えてみろよ。
「翠相手の加減の仕方。もし知ってるのならぜひご教授願いたいね」
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