光のもとでⅠ
 エレベーターを降りると、真下さんに「おはようございます」と声をかけられた。
 挨拶を返すと、
「お友達がお待ちです」
「え……? 友達――?」
 カフェラウンジの一角に佐野くんがいた。
「御園生さん、おはようございます。で、御園生、おはよ」
「おはよう……どうしたの?」
「一緒に登校しようと思って」
「え……?」
「あ、もしかして朝って御園生さんと一緒に車だったりするっ!? やば、俺その辺考えてなかった」
 佐野くんは急に焦り出す。
「少し微熱が続いているから蒼兄の車で通っているのだけど……」
「翠葉、歩いて行っておいで」
 蒼兄の大きな手が頭に乗る。
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