光のもとでⅠ
「二年次からはわからないよ。でも、あのクラスなら大丈夫だと思うから。同じクラスにいるうちに御園生を引っ張り上げたいと思う。簾条や海斗たちはさ、高校三年間かけてってスタンスっぽいけど、俺はあのクラスと部活で一緒の人間以外なんてほとんど知らないんだ。だから、そんな無責任なことは言えない。ただ、あのクラスなら大丈夫だって言える。だから――言ってほしいと思う。できる限りのことをしたいから」
 佐野くんの目はゴールを見据えたスプリンターのそれと同じだった。
 あ、少し違うかな……。
 これから走り出す、という選手の本気の顔――。
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