光のもとでⅠ
 でも、今の私にはそこまでの勇気も度胸もなくて、けれども、この状況でずっと隠していることも後ろめたくてつらい。
「つらい」とか「怖い」という気持ちは全部自分から生まれるもので、司には「幻影」って言われた。
 間違いなくそのとおりなのだろう。
 現に、実際にはありもしないことに対する恐怖なのだから。
 なのに、そんなことが原因でクラスメイトを少しでも疑ってしまう自分が嫌……。
 そして、そんな自分を心配してくれるクラスメイトに申し訳なくてつらくなる。
 白状することも「怖い」ことの一要素。
 携帯を手に、震える指で文字を表示させては変換される言葉に悩む。
 どうしても言い訳みたいな文章が並ぶから。
「携帯のメールで伝えるようなことじゃないものを書こうとしているから書けないのかな」
 その場でコロン、と横になる。
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