光のもとでⅠ
 かすかに香る香水に涙腺が刺激される。 
 頭を抱えられたまま、私は色んなことを話したと思う。
 テスト前にあった数々のことを。
 ツカサと話したこと、空太くんと話したこと、海斗くんと話したこと、桃華さんと話したこと、佐野くんと話したこと――。
 そのどれもが順番も何もかもがぐちゃぐちゃで、説明として人に伝えられる文章になってなくて、わかっているのに口にするのを止められなくて……。
 秋斗さんは私が話している間、何度も何度も相槌を打ってくれていた。
 言葉を挟むことなく、ずっと聞いていてくれた。
 本当は誰にも知られたくなくて、でも、ひとりに知られたらみんなに話さなくちゃ、と中途半端な覚悟でメールを送ったことも何もかも。
 思い出すだけでも心が痛くて仕方ない。
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