光のもとでⅠ
『今のおまえの身体はバランスが悪い。その調整を俺が鍼でやっているわけだが、やっぱり脈の乱れが気になるんでな。専門のお姫さんの方へ振った』
「……先生、それはどの程度のものですか?」
『俺はそっちの専門家じゃないから詳しいことは言えねぇよ。ただ、診察は受けておくべきだと思う。きちんと心音聞いてもらってこい。もしかすると、今日の夕方には痺れを切らせて姫さんから出向くかもしれねぇな』
 それは大いにあり得る……。
『これ以上何を言うつもりもないんだが、日に何度も頻脈発作起こしてんだ。循環器を専門とするお姫さんにとっちゃ見過ごせねぇだろ。それでも昨日診察しなかったのは、あれ以上スイハの前にいると、あれこれ説教しそうになるから、だそうだ。ま、それは今日であっても明日であっても変わらんだろうが、そのときはそのときでしっかり叱られんだな』
「はい」
『用はそれだけか?』
「はい」
『じゃ、ゆっくり休め』
「ありがとうございました」
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