光のもとでⅠ
「っ……すみません」
「何かあった?」
「いえ――朝陽先輩、私ひとりで行けますから大丈夫です。それと、生徒会規約も家に帰ってからちゃんと読み直します」
 朝陽先輩だって無駄に校内を歩いているわけではない。
 それに、なんとなく――今は誰とも話したくない。
「んー……でも、司に任されちゃったしね。それを反故にできるほど図太い神経は持ち合わせてないよ」
 ふわりと軽い重力を頭に感じた。
 確認しなくてもわかる。
 蒼兄のそれとも、唯兄と秋斗さんとも違う。
 なんだか「イイコイイコ」とされている気がする感触。
「まずは教室へかばんを取りに行こうか」
 朝陽先輩は進行方向を変え、下りてきたばかりの階段を私に合わせてゆっくりと上ってくれた。
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