光のもとでⅠ
「わっ、悪くないよっ!? 海斗くんはちっとも悪くなくて、私が……私が――」
 翠葉の目が一瞬空ろになり、胸を右手で押さえた。
 俺の中には、さっきとは違う「やばい」が沸き起こる。
 こんな目は前にも見たことがある。
 意識が飛ぶ――!?
「翠葉ちゃん、痛い……? 大丈夫?」
 空太が顔を覗き込んで尋ねると、
「あ、ううん。痛くないよ、大丈夫」
 完全に意識は飛ばなかったけど、今の翠葉は間違いなく何か違うものを感じていた。
 今の話の内容って、翠葉にとってはすごいストレスになるのかな……。
 そんなことを考えつつ、会話が途切れることが怖くて、音がなくなったらまた翠葉の意識がどこかに行っちゃう気がして、酷かな……と思いつつ、「今」を見てもらうことにした。
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