光のもとでⅠ
 まあ、十分十五分のことだから誰も文句は言わないけど。それはただ単に文句を言える人間がいないっていう噂もある。
 逆に、気が気じゃないとか面白くないと思っているのは秋兄かもしれない。
 何をやっているのか知らないけれど、最近は図書棟不在率高め。
 けど、翠葉の休憩時間には必ずいる。
 本当、ふたりともわかりやすいったらない。

「翠葉、そろそろ隣に行く時間」
 翠は眉間にしわを寄せた。
「一時間したら起こすから」
 翠葉をカウンターの奥へと追いやると、その先は神谷先輩が引き受けてくれた。
 仕事部屋へ続くドアが閉まってため息ひとつ。
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