光のもとでⅠ
 けど、もし具合が悪いのだとしたら、ここに姉さんが来ないわけがない。
 もし、珍しくこの休憩時間に熟睡できているのだとしたら――起こしたくない。
 休めるときに休ませたい。
 それが俺のエゴだとしても……。
 紅葉祭が近づけば近づく分、イレギュラーなものが増える。
 忙しくなるのは目に見えてわかっている。
 だから、その前に少しでも休ませたいと思う。
 そのとき、振動が携帯の着信を知らせた。
 秋兄……?
「はい」
『あぁ、俺』
「着信名見ればわかる」
『あのさ、翠葉ちゃん珍しく熟睡してるみたい。一度声をかけたんだけど起きないんだよね。どうする?』
 どうするって……。
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