光のもとでⅠ
「あなた、藤宮秋斗さんですか? もしくはそっくりさんとか?」
「……そう思われても仕方ないか。俺、あっちの携帯は解約したんだ」
 パソコンに向かって高速で打ち込みをしつつ、なんでもないことのように話す。
「それはつまり……本気の相手ができたってことになります?」
「なるねぇ……お嫁さんにほしいくらい。結婚を真面目に考えるくらいの相手だよ」
 なるほどね。その相手に振られたと……。
「でも、さっきの話だとお姫さん、秋斗さんのこと好きなんでしょ? どうして振られるなんてことに?」
「だから、雅に邪魔されたって」
 明らかに苛立っていた。
「彼女が傷つくことを並べ立ててどん底に突き落としてくれたんだ。で、彼女は俺の隣に並ぶ資格はないと思ってる。……素直すぎるのもここまでくると重症だ」
「……すっげー新鮮なんですけど」
「……若槻、今からおまえを売り飛ばしてもいいんだけど?」
 超絶笑顔。こええええっ。
「っつか、それだけは勘弁してください」
 とりあえずこのまま放置だ、放置っ。蔵元さんが来たらどうにかしてくれるだろう。
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