光のもとでⅠ
 会議に使っていた部屋の隣に移動しながら電話に出る。
「はい、御園生です」
『藤宮病院の相馬です。今、お時間よろしいでしょうか』
「はい、大丈夫です」
 答えながら後ろ手にドアを閉め、奥歯に力をこめてから言葉を発する。
「何か、ありましたか?」
『奥様は?』
 この時間は確か碧も会議中……。
「会議中だと思います。それが何か……?」
『いえ、この数値変動で奥様からご連絡がないのは珍しいと思いましたので』
 数値変動っ!?
「娘に何かっ!?」
『何かあった、というよりは、あるものを服用した、といったものです』
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