光のもとでⅠ
 驚きはしたけれど、校内でばったり出くわすよりは心臓に優しかった気がする。
 次に会うときは、きちんとお仕事の話ができるように心構えをしておこう。

 家を出る直前の出来事。
「あんちゃん、あれ渡さなくていいの?」
「あ、忘れてた。翠葉、ちょっと待ってて」
 蒼兄は慌てて自室へ引き返し、戻ってきたときには手に小さな手提げ袋を持っていた。
 差し出された手提げ袋は普段目にするものよりも厚紙で、どことなく高級感漂うもの。
「何……?」
「プレゼント」
 ……プレゼント?
「昨日、帰宅する間際に思い出してさ」
 ゴールドの楕円形シールを剥がし上から覗き込むと、透明な袋に四角いものとストラップのようなものが見えた。
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