光のもとでⅠ

35

 ステージを終えた茜先輩は、真っ直ぐ私のもとへと帰ってくる。
 香乃子ちゃんはその時点でまた席を外した。
 今この場で、私と茜先輩がふたりきりになることは暗黙の了解となりつつあった。
「翠葉ちゃん……。次に歌う曲、まだ決められてないの……」
「え……?」
「ほら、私の歌の場所、ブランクになっているでしょ?」
 茜先輩が指差したのは奈落の壁に張られている進行表。
 そこには、第二部の一曲目同様空欄になっていた。
「翠葉ちゃんは金の斧と銀の斧、どっちを選ぶ?」
 ビーズクッションの脇に置いてあったバニティポーチからCDを取り出し、二枚のディスクを見せられる。
 ディスクにはマルとバツが記されていた。
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