光のもとでⅠ

38

「ほら、司も早くっ!」
 朝陽先輩に連れられてきたツカサも首を捻っている。
 一瞬目が合ったけど、やっぱり実物はだめで、すぐに視線を逸らしてしまった。
「そこまであからさまな態度取られるとむかつくんだけど……」
 そう言われても仕方のない態度を取っていた。
 わかっているのだけど、ちゃんとわかっているのだけど、
「ごめん、なんのことかわからない」
「……ずいぶんと性格悪くないか?」
「うん。もともといいほうじゃないの」
 冷静になろうとすればなるほど、憎まれ口が口をつく。
 後悔する余裕もないくらいにいっぱいいっぱい。
 どうしよう、と思っていると、曲が――歌が始まった。
 歌は、いきものがかりの「茜色の約束」。
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